―回想・広場からマーゴの家、そして帰宅まで―
[空にかかる月はもう少しで消えるかもしれない。
ランタンを片手に、マーゴと道中ポツリポツリと交わすのは、大工見習いの生活がどんなのかとか、マーゴの長老の手伝いがどうのとか、昔からの好物が変わってないとか、そんな話。
長老宅につけば、祭前夜の静けさにつられたように静かに声を掛け]
こんばんは、ばーさま。
――うん、ひさしぶり、デス。はは、ちゃんと仕事してるって。
んじゃ、マーゴも無事に送り届けたし、ばーさまの顔も見たし。
俺は帰るな。
また明日!
[流石に長老も奥からでてきたかもしれない。そうじゃなくても軽く言葉を交わして、マーゴに手を振って。
暗い夜道を駆け出していく。
見慣れた森とはいえ暗くなるとどこか不気味に感じられるのはいつものこと。
そして帰り着いた大工の親方の家で、眠りにつく。
――ソフィアのことは何も知らないままで――]
(69) 2010/07/29(Thu) 07時半頃