―村はずれ―
[茜色の空の下、村はずれにある大きな岩に腰掛けて、手元でくるくる回る風車を見つめていた]
…あやかし…。そんな人たちが、本当にいるのでしょうか…。
[懐から手鏡を取り出す。巫女でもあった祖母がくれた鏡。いつかお前も使うときがくるかもしれないと言い残して祖母は亡くなったけれど。]
婆様……。
[ちかちかと光る鏡をじっと見つめ…そして意を決したように鏡をぎゅっと握り、頭に浮かんだ人物の姿を念じるとやがて鏡面にその人物の顔が浮かび上がる。注意深く見つめるが、その顔は普段どおりのまま、変化の兆しも現れず、やがて掻き消えた]
…あの方は、違うのですね…。
[安堵の息を漏らす。鏡を見れば、鏡面は暗く、何も映さなくなっていた。気がつけば、体も少しだるいような感じがして]
…ちょっと、疲れてしまいました。この鏡のせいなのでしょうか…?
[少しその場で休んだ後、広場へ戻る道をたどった]
(62) 2011/09/14(Wed) 23時頃