…何をニヤけている
ここが舞台ならば、その笑いは不自然だぞ
[まったく、と溜息を吐くその顔はニコリともせず
従兄弟だからと甘やかしすぎている自覚はあるが、厳しい事を言っても嫌わないのだからなかなか彼も変人なのかもしれない]
人が人に盗まれるなんて馬鹿な事があるものか
鏡、お前にとって俺は宝物というわけでもないだろう
[馬鹿にしたようにそう言う。否、実際に馬鹿にしているのだ
人が盗まれるなんてそんな馬鹿な事、あり得るはずがないと。それは盗む盗まないの問題ではない。一種の誘拐だ]
心なんてものがあるのなら
鼠小僧に惚れたとでも言うのか?
[なかなか浪漫があるな。なんてフッと小馬鹿にして笑う
心が盗まれるなんてそれこそ馬鹿らしい。形に無い物が人に盗めてたまるものか。そんなの、現実的ではない
裾を摘まれれば、安心させるようにその頭を抱えるように抱きしめて撫でたか]
(62) 2015/01/20(Tue) 23時頃