― 朝の森 ―
[向けられた眼差しで意識できる程度に身体が震えてくるのがわかる。
此処で襲われることはないとはわかっているし、月光の加護のない今、昨晩よりは神性が薄れている。
それでもやっぱり… 理屈抜きで彼は怖い。]
御使い様にお褒めに預かって光栄です。
それが此処までわたしを残してくれた理由… と考えていいのかな?
[少しでも軽口を叩いていないと心が折れそう。
でも、わたしは記者さんのように信奉者になることはないし…テッドやオスカーのように御使いを憎むこともきっとない。
一定のルールにのっとったゲームにすぎないのだから。
負けたヒトに何も言う権利はない。
勝利条件はそれぞれだけど、わたしに取っては残ること。
知ることがそれになる。]
少しはハンデをくれてもいいと思うんですけど、か弱い女の子相手なんですし。
・・・でも、いいです。
わたしも、そう簡単に負けませんよ。御使い様?
(62) 2010/08/11(Wed) 01時半頃