[指名された花の成すことといえば、白い無地の召し物を纏うのが此処での決まり事であった。
白無垢で夜半を共にするなんて、ある意味皮肉のようにも思えたけれど、決まり事に逆らうことは良しとはしなかった。
というのも、逆らった末を知っている為に。他の花に比べれば経験など浅いものの、楼主が時折チラつかせる狂気めいたものは淡藤も瞳に映したことがあり。
煩わしいその決め事を今の今まで結局破ることは無かった。]
…また、櫻子さんのお時間の空いてる時に教えて下さると嬉しいです。
[これから彼が向かう先が何処であると知りつつも、太陽昇る平穏な空の元、話す言葉と同じことを口にして。
白磁に映えるであろう白無垢姿にうっとりしたように夢想した後、ひとり自室へと帰ろうと廊下に足を踏み入れようとして。
花や蝶以外の御人から伝えられた内容>>52に顔を曇らせつつ、早々と部屋に引き上げては真新しい着物を身に付けること数分。]
…余り物を拾うなんて、お優しい人…なのか。好きものなのか。
[ぶつぶつと呟きつつ、鉢の中の金魚を愛でた後にゆったりと地下牢へと向かっただろう。爪の色は白いまま。]
(55) 2014/09/14(Sun) 23時半頃