─ 村長の家 ─
[思い出すだけで、力が抜けそうになる身体を、気力で必死に起こし、父である村長と共に、空振りに終わった山狩りの結果を聞く>>22>>50。
誰もが表情に不安を湛えている。
だってそうだ。もし自分や、自分の愛する者が「あんな姿」になったらと想像するだけで……]
はぅっ……。
[……よろめいてはいけないと、自分の頬を叩く。
ちゃんとしなければ。守るべき村人が居て、「どこか」「村の外」に恐ろしい敵がいるのだ]
……サイモンの葬儀は、明日行います。
[彼の遺骸は、今は白い布を掛けられて、サイモンの家に安置されている。
サイモンには縁者はいなかった。一晩中遺骸に付いて、泣いてくれる女もいない。
彼がどんな寂しい思いをしているだろうかと思うと胸が痛んだが、
もう死んでしまった人よりも、今は、生きている人を優先すべき時だった]
(54) 2013/09/01(Sun) 19時頃