[けれど、それをそのまま口にするほど単純で愚かでもないつもりだった。
あたしの容姿なんて、それはもっときれいな人はいくらでもいる。
ただ、あの小さな教室の中で、ほんの少し、ほんの少しだけ、他の子より目立ってしまっただけ。
それが、たまたま、あの子の好きな男の子の目に止まってしまっただけで、たまたま、あの子がクラスに対する影響力が強かっただけで。
分かっているようで、分かってない。あたしの世界はまだ狭い。
けど、その単語に妙な警戒心を見せること自体が、攻撃の理由になる事は、何となく予想がついていた。
そんなあたしの浅はかな計算を余所に、この女性は褒め言葉を重ねる>>31。]
え、えぇと…
[あたしの頬が、ほんの少し赤くなる。
多分これはお風呂にのぼせたせいじゃない。
両手を頬にあてて、隠そうとするけど、隠せたかしら。]
(48) 2014/03/18(Tue) 19時半頃