[彼は一体どんな反応を返しただろう?気にはなったが、決心が鈍らないうちに言いたいことを言ってしまう。]
でも、あなたならいいわ。
…トレイルのこと、お願いするわね。
[それは目覚めてから、二人を見ていて嫌でも思い知らされた。彼と一緒にいることで、トレイルはどんどん笑顔が増えていた。
悔しいけれど、きっと自分では、無理だった。そう思う。
その言葉でミナカタに自覚があることが分かったなら苦笑し、まだのようだったら、「自分の気持ちもわからないなんて、先生もまだまだね」と相変わらず自分のことを棚に上げたことを想うだろう。
ただどちらにしろ、自分が彼に望むのは一つだ。
これは彼らの問題であって自分には関係ないことだとはわかっている。]
(でも、少しくらいいいわよね?…長年片思いしていたんだもの、これくらい)
私が帰って来た時、もしトレイルを泣かせていたら…一発、覚悟してもらうんだから。
[そう言っておどけたように殴る真似をすると、彼の顔の前で拳をピタリと止める。
さあ、これでおしまい。
彼女が幼い頃からずっと抱いていた想いに、静かに終止符を打つ。
心の中で涙を流すのはこれが最後。そう決めていた。]
(41) rito 2013/12/28(Sat) 22時半頃