[ それまでしっかりと話すことが無かったのは
嫌われていたのでなければ多分、巡り合わせの問題だ。
何しろ図書館とは沢山の本がいなければ成り立たず
特に絵本の児童書の棚ときたら賑やかなものだから。
ヤニクとトレイル、接点も薄く逆さまなふたり
しかし一つだけ共通するものがある。
互いの話し相手となりうる絵本の少女の存在だ。 ]
ヤニク。僕達は随分と違うね。
それはきっと見た目のことだけじゃない筈だ。
だから僕は知りたいと思う。
君のお話ではなく、君自身のことを
牙を持たないおつきさまの化身の心を教えておくれ。
[ 始まりは彼女であれど、
青鳥の君が通い詰める彼のことを知りたかったからでも
その夜、本に戻る前に告げた内容
この語らいを一度きりで終わらせたくないということ
そこには決して偽りは無かった。 ]
(32) 2017/07/19(Wed) 12時頃