―続く談話室―
クジって、ほんっと適当ね、ユリ。
[むっと眉間に皺をよせ、ユリシーズをにらみつける。ロンリーウルフな彼にはあんまり期待していなかったけど、まったく、所詮はフリもできない人間か。
寮内で、室内で堂々煙草をふかし始める彼に、勢い込んで突っかかろうとしたところで。
本当に、不意、に]
……ありがとう。
[差し出されるアークロイヤルに、吸いつけられるように手が伸びた。
どこか、不思議な、不思議な感触。
普段は睨みあいさえ避けられる彼から、手渡された送りもの。
……意外な優しさに、触れたような気がした。
たった1本の煙草から、見えてきてい待ったような気がした。
普段は隠されていた彼の本当の心。
仲間を思いやる労いの愛情が、その1本に凝縮されていて……。
――――感じる。彼に秘められた無限の愛しみ]
(28) 2011/08/30(Tue) 19時頃