―翌朝―
[朝起きると、トニーは教会へと向かった。
チャールズに言われた通り、衣類をもらうためと、自分を育ててくれた養父と、その妻の墓参りのためだ。
雪が昨日よりも厚く積もっているのを見て、村が雪に「埋もれる」というのが誇張ではないのをようやく理解した。
旅に出るなら急いだ方が良い。
そう直感し、早いうちに養父に挨拶をしようと考えていた。]
うぅっ…さみぃ…
[昨日より厚着をしているとはいえ、始めて冬を経験するトニーにとって、この寒さは厳しい。
先を急ごうにも、雪道に慣れていないので、足を速めると転びそうになる。
転んだのをカルヴィンやクシャミに見られでもしたら、きっとからかわれるに違いない。
それだけは避けたかった。
細心の注意を払い、苦戦しながらようやく、教会にたどり着く。
よかった。これでようやく暖がとれる。]
こんちはーっ
[教会の扉を開きながら、元気よく声をかけた。]**
(26) 2013/11/22(Fri) 21時半頃