言ってろよ、阿呆のこめ。
[何だがわからないが、勘違いした様子の千秋に鼻白む。
大体、「そんな顔」って、人のこと何だと思ってるんだろう。普通に泣きも笑いもするし、飯も食う。うんこだってするわ。
ぶつくさ言っても足は止めず、砂浜を抜けて岩礁に辿り着く。
後から着いてくる千秋を待つ間、何かを探すように周囲を見渡した。
ふと、少し離れた場所に向かって足元のものを拾う。厚さ五センチ程度の、板状に割れた石片だ。
B5のノートを半分にしたくらいのそれを、二つ程手に取って。がち、と打ち付け、割れた断面を目を細めて観察する。
ン、よし。やっぱりな。
[納得言った様子で頷いて、追いついて来た千秋を振り返った。]
さて、どこいく?
魔王の手先として、勇者サマ御一行にオシオキするんだろ?
[森か、民家か、廃屋か。
千秋の答えを待った。]
(24) 2013/10/27(Sun) 00時頃