[ケイトは慰めてくれただろうか。それとも自ら奮起することが出来ただろうか。震える手のひら。暫く見つめていた男は]
そうだ…… そうだ。
坊ちゃん。坊ちゃんならもっと詳しいことが分かるのかもしれねえ。
坊ちゃんならおれのしらねえことだって沢山知ってるし。
おれが授かったものについてだって知ってんよ。
なあケイト。おれ、おれさ。なんも出来ねえし。
お前とただ一緒にいれたらそれでよかったけど。
な。
そんなおれでも、出来ることがあるかもしんねえんだ。
こんなことしでかした犯人だって、ふんじばってやれっかもしれねえ。
[所々に残る炎を避けながら、サイモンのほうへ向かう。その場にユリシーズや、ゼルダはいるだろうか。サイモンの語る言葉を聞いて、男は確信することだろう。この中に惨劇を起こした犯人がいること。男の授かった力が、犯人を突き止める手助けとなることを]
(24) 2010/05/11(Tue) 01時半頃