…… ん?
[駆け寄る足音と呼び声に、其方を向く。その姿を見て取れば、笑みを作り]
おや。エリアスじゃないか。
いかにも、久しい邂逅だ。
久しい、住処を同じくしながらそう在るとは、些か奇妙で可笑しみがあるが。
そう、気配ならば、多々感じていたのだけれどね。
[叫び声、菓子の匂い、ここのところ――にも限らない常々だが――認識する事のあった事象らを思い浮かべつつ、言った。
エリアス。甚だ臆病で、極めて内向的で、されども同時に高い狂気性と猟奇性を具えている、独特な存在――と男は彼を評しているのだが――そして男の熱心な読者である。
19世紀当時の作から愛好して貰えているという事は率直に嬉しく、冥利に尽きるというものであり、毎度の匿名の感想も有難く頂戴している。
尤も彼の性質から、そう同じ城内で匿名の文をするような性質から、対面にそんな会話をする機会はなく、特段男が追求してみた事もないのたが]
(23) mimu175r 2016/12/11(Sun) 01時頃