ー回想>>17>>21ー
べべっ…別にオレは肩車なんかしてもらわなくたっ…おわっ…!?
[からかうようにドナルドを譲ると言うカルヴィンについ反発してしまうが、ドナルドはお見通しのようだ。
トニーの身体がふわりと宙に浮いた。]
なっ、なにすんだ!下ろ…
[抵抗などものともせず、軽々と持ち上げられ、肩に乗せられたトニーは、それでもなお軽く暴れたが、目の前に広がった景色を見るなり、そんな小さなプライドはすっかり忘れてしまった。]
「どーよ?たっけーだろ。」
あ、ああ…
[少し視界が高くなっただけで、いつも見ているはずの景色がまるで違って見える。
先ほどまでトニーを震わせていた冷たい風が、今はとても心地よく、爽快な気分だ。
自分は翼をもたないが、空を飛べたとしたら、おそらくこんな気分なのだろう。
少年の目はキラキラと輝いているに違いない。]
(23) 2013/11/18(Mon) 19時半頃