[──全員の帰還が確認された後。
とにかく、最優先された事項──容体が悪化しているらしい明之進の救急搬送に手を貸した。
その時、どーしても、どーしても黙っている事ができなくて]
……あー。
その症状で病院手配するなら、俺、ちょっと宛てありますけど。
[正直、あんまり言いたくはなかった。
けれど、この状況で沈黙しているのも精神的にきつくて。
搬送先をどうするか、と相談する消防団にこう切り出した]
……あ、うん。
先に連絡して、受け入れできるか確かめる程度っすけど。
正規手続きは、その後でやってもらう方向で。
ん、まあ、多分、だいじょーぶじゃないかなー。
[なんてへらっと笑って連絡した先は──ご無沙汰していた実家。
散々怒られたりなんだりしたものの、無事、父と兄の勤務する病院との繋ぎは取れて。
一先ずの大事は回避できた、けれど]
(19) tasuku 2016/11/23(Wed) 01時頃