―― どこかの村:宿 ――
嘘を、つきました?
[村で待っていたのは妹ではなく、そんな書き出しから始まる手紙>>5:+33だった。]
志乃、お前は…本当に……
[黙々と読み耽り、やがて唇を噛み目を伏せた
どれだけのものを抱え己へ黙していたのだろう>>5:+35
そんなにも自分は頼りない兄だったのか……全てを笑い飛ばし愛せる妹>>5:+36にとってはそうだったのだろう。
娘一人で見えなくなってゆく目で北へ向かうなど>>5:+44、追いかけなければならない、筈なのに。]
……僕も、お前の兄で在れて幸せだったよ。
[呟いたのはあの時>>0:43に似た別れの言葉、足は動くことは無い。
妹をもう暗闇に縛ることは許されないと理解しているのだから、……"お前さえいればいい"今はそう言えないことに気付いていたから。
その知らせ>>5:+38を華月に伝えなければならない、真っ先にそう考えている己がいたから。]
(8) yami 2013/08/17(Sat) 18時頃