ぁあああぁアあアあアアアアアア―――!!
[腹の底から飛び出るような、奥の奥から搾り出すような、
そんな叫びを上げて全身をがくがくがくと振るわせていた]
[周囲の空気が、全てが全て音となって。
昨日1日で囁かれていた、人ならざる声が、人であった耳ではハウリング音の様に不快にしか聞こえなかった声どもが、全て凶器となるように頭に突き刺さってきた]
[1日の全てを、ほんの刹那の時に。
全ての音を、意味を成す言葉に翻訳して。
せまい、せまい、言語野に、聴覚野に、周囲の空気の全てが叩きつけられる]
[がくがくとただ何も出来ず、何も考えられず、何の反応も出来ずにそれを享受するしかなかった。ただ、自分の体が一本の管の様に、受け入れた音を全て放出するかのように、声が押し出された]
[もしも。もしも、この異形の音の中に、本の少しでもこれ以上の負荷が、例えば自らの生命の危機を感じさせるような情報が含まれでもしたら、きっと脳みそがどろりと溶けて流れ出す]
[そんな衝撃だった]
(8) 2010/03/03(Wed) 01時半頃