―ノース診療医院・病室―
[目を開くと一面の白、ぼんやりとした頭で何があったか考える。闇に溶けるような黒、地面に広がって行く赤。自分が負傷したということに思い当って左足の痛みに気付く。]
ここは……
[まだはっきりとしない状態でゆっくりと起き上がる。周りにはたくさんの負傷者達とてきぱきと動く看護師達。ここは病院だろうと見当をつけたところで...が目覚めたことに気付いた看護師が白衣の医者らしき猫背の男を連れてくる。
『気分はいかがですか?御嬢さん』]
問題は、ないッス。
あの、あっしはどうしてここに…?
[なぜか手をとりキメ顔で告げる医者に混乱が加速しつつ訊ねるが、医者は質問に答えず軽い診察をさっと済ませる。
『左足以外は問題ないようだな。切断する必要はなかったし支障はあるだろうが歩行は可能だ。
少し血が足りなくなってるからふらふらするかも知れんが問題はない。
肉でも食ってりゃ治る。ホントは入院してもらってしばらく安静にしてもらいたいんだがな…』
ちらりと周りを見やる医者に言わんとすることを察する。場所がないのだろう。よく見ると医者も少し疲れた顔をしていた。]
(7) 2011/11/22(Tue) 14時頃