―世界が終わる一カ月前・商店街の中華まん屋―
[朝、出勤後。明日は試作に試作を繰り返した「ハロー○ティまん」の販売開始日だった。下拵えはしっかり済ませてはいるが、やはり慣れない商品を作るときは緊張するものだ]
……きっと上手くいくんだから!
[女は、自分を鼓舞すると生地を広げた。刻んだ林檎入りのカスタードクリームを中に入れて、形を整える]
やっぱり顔が難しいなぁ……。
[あの愛くるしい「ハロー○ティ」とは似ても似つかない顔になりつつも、必死に修正していったら、何とかそれなりのものに見えるようになった]
……私これ……あと何個作らなきゃいけないわけ……?
[女はうんざりして呟く。一応同僚も作ってくれてはいるものの、自慢する意図こそないが、女はこの店舗内では一番美味しい中華まんを作るのであった]
(0) blanc714 2014/01/24(Fri) 01時頃