『…そうなの?』
[男の言葉に首を軽くひねる。
蕩けていた硬翠がうっすらと帯び始めるのは獣のような微かな光。
彼が住んでいた国は古くは酷く享楽的な性に事欠かなかった大地。
その血の流れが自然と少年にそうさせているだなんて、
この乱れ切った閨の中で誰が気づけていただろう]
『…いい気味』
[上がる悲鳴、葡萄酒に塗れた姿。微かに呟く声に滲むサディスティック。
酒精に濡れた手は再び少女の手首を拘束する。
傷に血が滲んでいたら、きっとそれは肌を刺すような痛みになる。
主が何一つ気にしなくていいといった雰囲気だったから、
何の遠慮もなく、洗い流してなお滲む蜜へのと苛立ちと不快感と共に
未だ解放させてもらえない自身を押し込んだ。
少女の口からどんな声が上がろうと、一切気にするつもりはない。
けれど、その内側の絡みついてくるような肉に自分を蹂躙していった女達に似た
肉欲の浅ましさを思い出して、最早腰を動かす気にもなれなかった]
(+73) 2010/04/13(Tue) 17時半頃