―深夜―
[寝る前は楽しかった。
結局ゴミ捨てのジャンケンは1(1:オスカーの勝ち 2:負け)だったけれど、勝敗なんてどうでもいいのだ。
目の前にいる兄は10年経った姿でも、生きていた頃を思い出せた。
27歳になった兄を見れて、わいわい騒げるだけでも嬉しかった。
幸せを実感することが生きている時にはなかったからこそ、そんな時間が幸せだと思った。]
……やだな、
楽しすぎて怖いって思っちゃうのは。
[また『夢のような』体に戻り、消える事。
楽しい気分であの世へ行けたらと考えていたというのに
いざ楽しくなってしまうと、それが嫌だなんて贅沢だ。
こっそり抜けだした廊下、昨晩と同じく輝く月灯りの下で、まだ実体を保っている掌を透かして。
少年の泣きそうな顔は月だけが知っている。
今夜も何かに怯えて、しばらく寝付けなかった**]
(+28) 2012/08/14(Tue) 05時半頃